大麻取締法違反容疑(所持)で8日に逮捕された、伊勢谷友介容疑者(44)が9日「大麻は自分が吸うために持っていたものです」と容疑を認めた。

警視庁組織犯罪対策5課によると「日本で法に触れることは理解しています」とも供述。元厚生労働省麻薬取締官の高濱良次氏は、同容疑者が長期間、大麻を吸引した上、仲間と“回し飲み”していた可能性も示唆した。

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組対5課は今年に入って伊勢谷容疑者が大麻を所持しているとの情報を得て、内偵捜査を続け、8日の現行犯逮捕につなげた。

高濱氏は、伊勢谷容疑者のリビングの机の引き出しから見つかった乾燥大麻4袋(計約20・3グラム、末端価格12万円相当)について「芸能人や著名人は購入の際、顔が割れるのを恐れ、まとめ買いする」と指摘。40回分の使用量に相当する大麻に加え、吸引に使ったとみられるタバコの巻き紙が500枚も見つかったこと、灰皿に燃えかすが残っていたことを踏まえ「営利目的ではなく使用のための所持だろう。常習性はあると考えられる」と分析した。

大麻を吸う場合(1)パイプに詰める(2)たばこの先を約3分の1、くりぬいて大麻を詰めるケースが多いが、伊勢谷容疑者の自宅からは、巻き紙と厚紙の吸い口3つも押収された。高濱氏は「巻き紙に大麻を巻き、大麻たばこにする『ジョイント』という方法。1本吸うケースは少なく、大麻パーティーを開き“回し飲み”して雰囲気を楽しむのが通例。仲間や女性、何人かで吸った可能性はある」と指摘した。

高濱氏は、伊勢谷容疑者が共同脚本も務め、大麻を買いに行きトラブルに巻き込まれる少年を描いた03年の初監督映画「カクト」に着目。「製作過程で知識がつき、関心を持って使い出した可能性はある」と指摘。12年2月に「大麻で人生崩壊するのは難しいと思うけどな。それならお酒の方が簡単だ」とツイートしたことについても「大麻を使っていないと出ない、普通の人間はしない発想。長期間、大麻にまみれていた可能性もある」と語った。

伊勢谷容疑者は会社「REBIRTH PROJECT」をベースに社会貢献活動を行っていたが、同社では14年に産業用大麻「ヘンプ」の食事会も開催していた。高濱氏は「大麻解禁論者の可能性もあるが、規範意識、順法精神が低かったのでは? 社会貢献活動、高校設立など常識のある“表の顔”と、大麻を吸引することに悪いという感覚もない“裏の顔”があったのでは?」と分析した。