テイラー・スウィフトさん、20年内のライブ中止 - 日本経済新聞

人気歌手のテイラー・スウィフトさんは2020年内のコンサートをキャンセルする=AP

【シリコンバレー=佐藤浩実】米人気歌手のテイラー・スウィフトさんは17日、新型コロナウイルスの感染を防ぐために2020年のコンサート開催を見送ると発表した。企業でも米フェイスブックが21年半ばまで対面イベントを中止する。米国で感染拡大期にいち早く動いたのは企業やアーティスト。スウィフトさんらの決断はトランプ政権が目指す「経済再開」にも影響を与える可能性がある。

「今年はみんなに会えなくて残念だけど、正しい決断だと思っている」。スウィフトさんは17日にSNS（交流サイト）のツイッターを通じてファンに呼びかけた。米国などで予定していたコンサートを中止し、21年以降に日程を変更する。新型コロナ感染が起こりやすい、大人数が密集する環境をつくらないためだ。

企業ではフェイスブックが21年6月まで、50人以上が集まる大規模イベントを開催しないと決めた。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者（CEO）は「（外出制限が緩和されたとしても）医療専門家の指摘を踏まえれば、大勢の人が集まることはしばらくお勧めできない」と理由を語る。

マイクロソフトも20年中に予定していたイベントはすべて、ネット中継など「デジタル」に切り替える。新型コロナの影響が長引くことを見込んで、早々に方針を固めた。

アーティストや企業の動きは米国での新型コロナ感染の初期をほうふつとさせる。全米初の外出制限令をカリフォルニア州が出したのは3月19日だが、3月の最初の週にはフェイスブックやツイッターが従業員に在宅勤務を促していた。同5日に取材に応じたマイクロソフトの担当者は自宅からビデオ会議に参加していた。こうした動きを地方の行政や州が追いかける形で、外出制限令を出した。

トランプ政権は経済再開に向けた新指針を掲げ、テキサス州など店舗再開に動く州も出てきた。ただ現実には米国の新型コロナ感染者数は17日時点で70万人に迫り、3万7千人近くが亡くなった。アジアでは外出などの制限を緩めた途端に感染者が再び増える「第2波」も起きている。スウィフトさんやIT（情報技術）企業が示すような慎重姿勢が広がれば、政治の判断にも影響を与える可能性がある。

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April 18, 2020 at 06:42AM
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